甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
抗甲状腺薬の副作用 無顆粒球症への対処の重要性
田尻 淳一
1
1田尻クリニック
キーワード:
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
顆粒球減少症
,
肝臓疾患
,
抗甲状腺剤
,
Graves病
,
蕁麻疹
,
そう痒症
,
発疹
,
抗好中球細胞質抗体
,
血管炎-抗好中球細胞質抗体関連
Keyword:
Agranulocytosis
,
Exanthema
,
Graves Disease
,
Liver Diseases
,
Pruritus
,
Antithyroid Agents
,
Urticaria
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Antibodies, Antineutrophil Cytoplasmic
,
Anti-Neutrophil Cytoplasmic Antibody-Associated Vasculitis
pp.871-875
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056077
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副作用は抗甲状腺薬(ATD)の欠点であり、服用開始2~3ヵ月以内に出やすい。ATDの副作用のうちで、無顆粒球症(agra)はもっとも重篤なものである。頻度は低いにもかかわらず生命を脅かすことがあるので、一般臨床医にとっても注意を要する。ATD開始時、副作用について説明しなければならない。ATD開始2ヵ月間は、2週間ごとの白血球数、好中球数のチェックが義務づけられた。agraと診断されたときの重症度判定に、G-CSF1回投与試験が有用である。軽症agra(好中球数100~500/mm3)に対して、G-CSFは有用である。じんま疹、肝障害、MPO-ANCA関連血管炎症候群など、他の副作用についても簡単にふれたい。
©Nankodo Co., Ltd., 2007