甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
抗甲状腺薬の注意すべき副作用 MPO-ANCA関連血管炎
吉村 弘
1
1伊藤病院 内科
キーワード:
Propylthiouracil
,
Thiamazole
,
Graves病
,
抗糸球体基底膜抗体症
,
血管炎-抗好中球細胞質抗体関連
Keyword:
Graves Disease
,
Methimazole
,
Propylthiouracil
,
Anti-Glomerular Basement Membrane Disease
,
Anti-Neutrophil Cytoplasmic Antibody-Associated Vasculitis
pp.123-126
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078934
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・propylthiouracil(PTU)、thiamazole(MMI)服用患者でMPO-ANCAが陽性になることがある。・MPO-ANCAが陽性になっても必ずしも血管炎を発症するわけではない。・MPO-ANCA関連血管炎の発症頻度は1万人当たり0.53~0.79人、MMIとPTUでの発症頻度は1:39.2と圧倒的にPTUに多い。・発症時期はさまざまである。・MPO-ANCA値と血管炎の病勢は必ずしも相関しない。・抗甲状腺薬(ATD)を中止すれば予後は比較的良好であるが、肺腎症候群を起こすタイプでは重篤化することがある。・ATD服用患者では、常にこの副作用を念頭に置く必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2011