発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008118953
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39歳女性。患者はバセドウ病に対するThiamazole投与中に妊娠が判明したため、propylthiouracil(PTU)に薬剤を変更したところ、変更後約3週間で肝機能障害が出現し、著者らの施設へ入院となった。所見では甲状腺機能検査は正常範囲内であるも、血液検査では著明な肝機能障害が認められた。また一方で、各種ウイルス検査についてはいずれも陰性で、DDW-J2004による薬剤性肝障害の総スコアは8点であった。以上より、本症例は薬剤性肝障害と診断され、PTU内服を中止し、補液、安静にて経過観察したところ、肝障害は徐々に改善し、入院第15病日には正常化し、翌日退院となった。退院後も肝障害はみられず、甲状腺機能障害も落ち着いており、その後、正常分娩にて出産したが、新生児には異常はみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008