発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015026898
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症例は70代女で、発熱、全身倦怠感が出現して消化管出血、尿路感染症と診断され、抗生物質で解熱傾向となったが、腎機能が徐々に悪化し抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)は26.2IU/mlと高値であった。入院時Hb 8.3g/dl、Cr 5.41mg/dl、抗糸球体基底膜(GBM)抗体陽性を認め、プレドニゾロン投与を開始すると共に腎生検を施行した。採取糸球体18個のうち6個は全節硬化または線維性半月体を含む完全荒廃化糸球体で、8個に細胞性半月体を認めた。血清Cr上昇に対しメチルプレドニゾロンのハーフパルス療法、次いでシクロフォスファミド(CY)パルス療法を施行したが、消化管出血併発で全身状態が悪化し、第33病日に血液透析導入となった。Crは低下傾向となって透析を離脱でき、再度のCYパルス療法後にMPO-ANCA陰性化、抗GBM抗体価低下も認め、第137病日に退院した。最終的に顕微鏡的多発血管炎と診断した。
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