冠動脈疾患をめぐる最近の話題
冠インターベンション戦略と冠動脈バイパス手術の現状と展望 薬剤溶出ステントの現状と展望
上妻 謙
1
1帝京大学 医学部内科
キーワード:
Ticlopidine
,
血液透析
,
血栓症
,
術後合併症
,
腎不全-慢性
,
糖尿病
,
Paclitaxel
,
心筋虚血
,
ランダム化比較試験
,
Sirolimus
,
Everolimus
,
冠状動脈再狭窄
,
薬剤溶出性ステント
,
経皮的冠状動脈インターベンション
,
Biolimus A9
Keyword:
Everolimus
,
Diabetes Mellitus
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Postoperative Complications
,
Thrombosis
,
Ticlopidine
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Myocardial Ischemia
,
Paclitaxel
,
Sirolimus
,
Coronary Restenosis
,
Drug-Eluting Stents
,
Percutaneous Coronary Intervention
,
Umirolimus
pp.457-465
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007325574
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薬剤溶出ステント(drug-eluting stent:DES)は、虚血性心疾患治療の中心となっている冠動脈ステント植込み術の問題点とされてきた再狭窄の問題を劇的に改善し、日本でも2004年より発売されるやいなや、冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)の中心的デバイスとなった。しかし糖尿病や透析患者での成績や分岐部、とくに左主幹部病変に対する対応に関しては、改善の余地がある。さらに最近、頻度はそれほど高くないものの、致命的な合併症である植込み1年以降の遅発性ステント血栓症という問題点が課題として上がってきた。ticlopidineなどの抗血小板療法も長期に必要とされ(ガイドライン上は12ヵ月)、適切な中止時期もいまだ確立されていない。これらの問題を克服するために工夫を凝らした第二世代のDESを用いて臨床試験が行われており、今後のデータに期待したい。
©Nankodo Co., Ltd., 2007