発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005134943
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41歳男.ホタルイカを生食した翌日に腹痛が出現した.血液検査にてWBC 13800/μlと好酸球増多を認め,第13病日に行った旋尾線虫抗体価検査は強陽性で,寄生虫抗体スクリーニング検査では,ブタ回虫とアニサキス抗体が弱陽性であった.好酸球は第17病日目に1688U/mlとピークを示した.又,旋尾線虫抗体価は第110病日に100倍に低下していた.第7病日に腹部CT検査を行ったところ回盲部に腫瘤状陰影を認め,第9病日に下部消化管内視鏡検査を行い,回盲弁付近に発赤を伴う腫瘤を認めた.同部生検では好酸球浸潤を伴う炎症所見がみられた.ホタルイカの生食歴と旋尾線虫抗体価検査から,旋尾線虫type Xの感染と考えられた.約1ヵ月の保存的加療を行い,腹痛,嘔吐,下痢などの急性腹症様症状は軽快し,第31病日に退院となった.第57病日の腹部CTでは回盲部の腫瘤陰影は消失していた
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