発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002138666
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53歳女.骨盤部放射線照射から約8年,腸閉塞に対する回盲部切除術から約7年後にHb4.4g/dlと著明な貧血を認め,他院にてクローン病と疑われた.大量輸血に加え,IVH管理に伴い総合ビタミン剤も投与され,ビタミンB12補充療法が行われた形となり,前医入院時137flまで上昇していたMCV値の一時的な低下がみられたと考えられた.その後,回腸病変の改善がみられず,当科紹介となった際にも102.8flとMCV値の上昇はみられたものの,巨赤芽球性貧血の診断に結びつけることができなかった.1年後徐々に貧血が進行し,MCV値の上昇を認め,初めて放射線回腸炎,回盲部切除を原因とするビタミンB12吸収障害による巨赤芽球性貧血と診断し得た.Mecobalamin筋注によるビタミンB12補充療法を開始したところ,症状が改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2002