発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001182722
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症例は54歳女性で歩行時のふらつきを主訴とした.脳性麻痺による頸部の不随意運動と斜頸があったが軽作業をしていた.両上肢に巧緻運動を認め尿失禁がみられるようになった.右半身が締め付けられるような異常感覚が出現し入院した.右への痙性斜頸と不随意運動がみられた.四肢筋力は低下し両下肢で強い痙縮がみられた.脳MRIで軽度の脳萎縮がみられ頸椎単純写と断層撮影では環軸椎亜脱臼と歯突起の頭蓋内への突出がみられた.頸椎矢状断では環軸椎部で脊髄が圧迫され同部に一致しT2強調画像でで髄内の高信号域がみられた.tizanidine hydrochloride投与開始後,四肢痙縮と頸部不随意運動は軽減した.環軸椎亜脱臼は手術適応と考えたが患者の同意なく抗痙縮薬内服を継続し経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2001