発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013353834
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53歳女。生下時よりアテトーゼ型脳性麻痺があったが、独歩可能で日常生活動作は自立していた。3ヵ月前から、誘因なく徐々に両上肢運動および立位歩行が困難となった。X線所見では、軸椎歯突起骨折、環軸椎亜脱臼を認め、機能撮影像で不安定性を認めた。ミエロCT所見では、軸椎歯突起骨折、右椎弓根・外側塊骨折、C1/C2レベルでの脊髄圧迫、環椎左外側塊の亜脱臼、環椎前弓・後弓骨折を認めた。 高度な後彎変形、環軸椎疲労骨折を伴ったアテトーゼ頸髄症による四肢麻痺と診断し、手術を行った。手術は環椎後弓切除術、後頭骨頸胸椎固定術を行った。術後にハローベストを装着した。手術直後から四肢筋力は徐々に回復したが、軽度の嚥下障害が発生した。術後2週で二期的に選択的筋張筋解離術を行い、両側の胸鎖乳突筋、頭最長筋、僧帽筋を切離した。両側上肢機能が著明に改善し、書字・描画・自力食事摂取が可能となった。術後4ヵ月に独歩で退院した。
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