発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007153041
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54歳女。アテトーゼ型脳性麻痺患者で、手指の巧緻運動障害と歩行障害を主訴とした。頸椎単純X線側面像にて脊柱管前後径は前屈位・後屈位ともに11mmと狭小化し、頸椎前彎角は前屈位-22°、後屈位3°であった。頸椎MRIのT2強調矢状断像では環椎後弓が硬膜管の背側を圧迫し、同部位にて脊髄の高輝度変化を認めた。脳性麻痺に合併した環軸椎亜脱臼による脊髄症と診断したが、亜脱臼は前後屈にても整復されないため手術を施行した。手術は環椎の後弓切除後C2へ椎弓根スクリューを刺入しプレート・ロッドシステムを用いて後頭骨~C2のインストゥルメンテーションを行い、腸骨から採取した半層骨と海綿骨を後頭骨~C2間に移植した。術後3ヵ月で独歩退院し、術後13ヵ月現在単純X線像で骨癒合を認め、MRIのT2強調画像でも脊柱管の十分な拡大を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007