発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001167400
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症例は52歳女性で労作時息切れ,夜間起座呼吸を主訴とした.10年前感冒様症状と全身浮腫が出現し腎生検でループス腎炎と診断され,.7年前より腎機能低下を認め透析導入となった.心エコー検査で僧帽弁閉鎖不全(MR)と三尖弁閉鎖不全による心不全と診断された.心拍数が40/分の高度房室ブロックも指摘された.僧帽弁は肥厚し高度のMRと中等度の僧帽弁狭窄を認めた.所見からSLEにLibman-Sacks型心内膜炎(LSEC)が合併し,弁肥厚によりNYHAIII°の心不全を生じたと考えた.僧帽弁置換術と三尖弁縫縮術および永久ペースメーカー植え込み術を施行した.わが国におけるLSECに対する弁置換術の報告例は自験例を含め5例のみで症例のように心内膜に無菌性膿瘍を形成した報告はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001