発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013081455
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41歳女性。他院でアテトーゼ型脳性麻痺(左片麻痺)と診断され、麻痺側の股関節と膝関節屈曲拘縮、内反尖足に対して10歳時から6回の筋解離や延長術が行われていた。膝関節に対しては35歳時に屈曲拘縮に対するハムストリング延長術、大腿直筋解離術が施行されたが、最終術後も内反尖足の残存による反張膝歩行を呈していた。今回、平地歩行中に誘因なく左膝痛、膝蓋骨の外側への脱臼感が出現、近医にて左膝蓋骨脱臼と診断され、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。初診時、単純X線像にて膝蓋骨高位と外反膝が認められ、反復性膝蓋骨脱臼の診断にて受傷9日目に半腱様筋腱を用いた内側膝蓋大腿靱帯再建がElmslie-Trillat法にて施行された。更に術後は2週間のギプスシーネによる外固定が行われ、筋緊張を抑えるためダントロレンナトリウム(75mg/日)の内服、加えて術後2週から関節可動域(ROM)訓練と全荷重歩行が行われた。その結果、術後6週で退院となり、術後10ヵ月時点での患側の膝関節ROMは伸展0°、屈曲110°、apprehension test陰性であった。尚、目下は外出時のみ膝軟性装具を装着し独歩可能である。
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