臨床室
尺骨神経麻痺をきたした先天性橈骨頭脱臼の1例
加藤 次朗
1
,
辻井 雅也
,
川喜田 英司
,
長谷川 正裕
,
須藤 啓広
1三重大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
変形性関節症
,
四肢奇形-先天性
,
神経移行術
,
脱臼
,
肘関節
,
橈骨
,
末梢神経圧迫症候群
,
尺骨神経障害
,
臼蓋形成不全
,
神経伝導速度
,
神経剥離術
Keyword:
Joint Dislocations
,
Elbow Joint
,
Nerve Compression Syndromes
,
Osteoarthritis
,
Radiography
,
Radius
,
Nerve Transfer
,
Limb Deformities, Congenital
,
Ulnar Neuropathies
pp.1075-1077
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017399268
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳女性。左手握力低下、左小指のしびれを主訴に近医を受診し、保存的治療を受けるも改善せず、手術目的で初診から3ヵ月後に当院へ紹介となった。精査の結果、先天性橈骨頭脱臼の経過より生じた変形性肘関節症に尺骨神経麻痺を合併したものと診断し、尺骨神経剥離と皮下前方移動術を施行した。術後1.5年の時点で左手握力はほぼ健側と同等まで改善し、また感覚は左小指指尖部に軽度の違和感と感覚鈍麻を残すのみで良好に回復した。また、PREEスコアは術前60点が術後52点、DASHスコアは術前61点が術後31点、JOAスコアは術前60点が術後66点となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017