発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002033753
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11歳男児.右肘から前腕の腫脹・疼痛を主訴とし,右橈骨頭と橈・尺骨中央部に圧痛を認め,肘関節可動域は屈曲110°,伸展-20°で,前腕の回内外は不能であったが,神経血管損傷は認めなかった.X線上,橈骨頭の前外側への脱臼,橈骨骨幹部骨折および尺骨の急性塑性変形を認めた.Lincolnの変形度(MUB)は健側-10mmに対し,患側-17mmであった.尺骨の塑性変形を徒手矯正後に橈骨頭脱臼の整復を行ったところ,MUBは-17mmから-10mmに矯正された.翌日,橈骨骨幹部骨折に対して経皮的ピンニングを行い,後療法として術後3週間前腕回外位でギプス固定し,その後1週間三角巾固定した.術後3週目のX線像で尺骨の骨膜性仮骨を認め,術後8週目で抜去術を施行した.術後2年3ヵ月後には再構築が進み,MUBも-5mmでほぼ健側と同レベルとなり,臨床上,肘関節・前腕の可動域制限は認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2001