発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003301972
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8歳男(症例1).雲梯より落下し,X線で左橈骨頭の脱臼と,尺骨の前方凸のbowingが認められた.maximum ulnar bow(MUB)は5.0mm,ulnar bow rate(UBR=MUB/ulnar length×100)は4.5であった.橈骨頭は容易に整復でき,近位橈尺骨関節は回外位で仮固定し,90°屈曲位でギプスシーネ固定を行った.術後1年2ヵ月でMUBは5.5mm,UBRは3.1と改善した.6歳女(症例2).転倒で右橈骨頭の前方脱臼と尺骨の前方凸のbowingを認め,MUBは3mm,UBRは1.8であった.徒手整復できず,手術所見で断裂した輪状靱帯が腕橈関節内に介在しており,これを戻して整復した.術後3年5ヵ月でMUBは0mm,UBRは0と改善した.10歳男(症例3).走り高跳びの着地で右手をつき,3週間ギプス固定を受けたが,橈骨頭脱臼が残存した.尺骨のbowingを認め,MUBは6.0mm,UBRは3.0であった.手術所見で瘢痕組織と輪状靱帯が腕橈関節内に介在しており,これを切除して整復した.術後16年でMUBは3.9mm,UBRは1.5と改善した
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