臨床室
MRIで術前に診断可能であったNeidre分類type III腰仙部神経根奇形の1例
山中 力仁
1
,
服部 敏
,
仁丹 克則
,
重松 辰祐
,
前田 徹
1名古屋徳洲会総合病院 整形外科
キーワード:
先天奇形
,
MRI
,
術前診断
,
脊髄神経根
,
マイクロサージャリー
,
末梢神経系疾患
,
腰仙部
,
椎間板切除
,
椎間関節切除術
Keyword:
Congenital Abnormalities
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbosacral Region
,
Microsurgery
,
Peripheral Nervous System Diseases
,
Spinal Nerve Roots
,
Diskectomy
pp.1071-1073
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017399267
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68歳女性。草むしり後に左下肢痛が出現したため受診となった。MRI矢状断像ではL4/L5レベルで椎間板の左後方に軽度膨隆、左椎間関節の変性・肥厚、および左L4神経根の横走化・肥大がみられ、L5/S1レベルで左椎間関節の変性・肥厚による椎間孔の狭小化が著明であった。冠状断像では左L4神経根の尾側分岐、L4-L5硬膜外吻合枝、右L5-S1 conjoined nerve rootがみられた。以上より、Neidre分類type IIIの腰仙部神経根奇形と診断され、顕微鏡下に左L4/5・L5/S1椎間を片側開窓し、L4/L5の内側椎間関節を切除し、硬膜とL4・L5神経根および吻合枝間からヘルニアを摘出した。術後、疼痛、しびれは速やかに消失し、JOAスコアは術前の9点から術後1ヵ月で29点に改善した。
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