臨床室
腰椎化膿性脊椎炎に対し側方経路腰椎椎体間固定で治療した1例
瀬戸上 智行
1
,
原 淳
,
中村 潤一郎
,
石井 耕士
1川崎幸病院 整形外科
キーワード:
MRI
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
腸骨
,
腰椎
,
腰筋膿瘍
,
脊椎炎-化膿性
,
椎弓根スクリュー
Keyword:
Ilium
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Spinal Fusion
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Psoas Abscess
,
Pedicle Screws
pp.327-329
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017272417
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62歳男。強い腰痛を認め、1週間以上熱発が続くことから近医より紹介受診し、MRIで腰椎化膿性脊椎炎、腸腰筋膿瘍を認めたため入院加療となった。約1ヵ月の加療で高値であったCRPが2mg/dl台まで低下し、腸腰筋膿瘍の改善を認めたが、画像上骨破壊が進行して腰痛が遷延したため手術的治療となった。全身麻酔下に右側臥位にてextreme lateral interbody fusion専用レトラクターを使用し、レトラクター内で骨掻爬、デブリドマン、洗浄を直視下に行った。明らかな膿はなかったが、椎体終板の脆弱性のため可及的に掻爬した。掻爬後の骨欠損部に腸骨をブロック状に採骨し、欠損部に合わせて移植した。腹臥位として後方から経皮的椎弓根スクリュー(L3~S1)を挿入した。術後採骨部痛を認めたが、すみやかに歩行器歩行を開始した。術後2週でCRPは陰転化し、3週で腰痛はほぼ改善して独歩で退院となった。現在は外来で経過観察しており、腰痛もなく感染の再燃を疑う所見は認めていない。
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