臨床室
股関節脱臼をきたした若年性特発性関節炎の1例
二川 隼人
1
,
松下 功
,
元村 拓
,
峯 隼人
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節炎-若年性
,
股関節脱臼
,
MRI
,
滑膜切除
Keyword:
Arthritis, Juvenile
,
Hip Dislocation
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
pp.331-333
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017272418
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8歳女児。左股関節痛を自覚し、近医での保存的加療で改善しなかった。単純X線像では年齢に照らし合わせて明らかな寛骨臼形成不全は認めず、大腿骨頭の外方化を認めた。MRIでは左股関節に関節液の貯留を認めた。少関節型若年性特発性関節炎と診断し、非ステロイド性抗炎症薬による対症療法で経過観察を行った。その後、左股関節痛は寛解・増悪を繰り返していたが、歩行不能となり当科入院となった。全身麻酔下に観血的脱臼整復術を施行し、左股関節を前方アプローチで展開して非薄化した関節包を切開した。関節内には滑膜組織が充満しており、大腿骨頭が押し出されるように外側上方に脱臼していた。可及的に滑膜切除を行って整復位を得た。術後1年3ヵ月時、左股関節痛はなく、ごく軽度の跛行を認めるものの独歩可能であり、軽度のROM制限はあったが、JOAスコアは98点であった。
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