発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015218962
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77歳女。腰痛、両下肢痛を主訴に当科を初診した。単純X線にてL3/L4、L4/L5に不安定性を伴う変性すべりを認め、L3/L4後側方固定およびL4/L5後方経路椎体間固定術を施行した。術後8日目より発熱、高度の炎症所見を認め、CEZを投与したが発熱は持続した。IPM/CS変更後も効果は乏しく、術後14日目に抜糸を行ったところ、創離開、膿性浸出液の漏出を認めた。MRI T2強調像では右術創筋膜に膿瘍形成を認め、術後15日目に病巣掻爬を行った。術後はMRSA感染を想定し、VCM投与を開始した。血液培養、創スワプの培養結果、組織培養結果はすべて陰性で、再手術後のMRIで右椎弓根スクリュー周囲に炎症像を認めたため、術後31日目にインストゥルメントの抜去と椎体間腸骨骨移植を施行した。VCMによる腎機能障害が出現し、術後39日目にLZDに変更したが無効で、抗生物質を中止したうえで血液培養を行い、その後はMEPM投与を開始した。血液培養からはGram陰性らせん菌が検出され、遺伝子解析でCampylobacter fetus subsp.fetusと同定された。CTRXを8週間投与し、感染の鎮静化を得た。
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