臨床室
胸腰椎移行部変性による円錐上部症候群の1例
宇野 智洋
1
,
橋本 淳一
,
内海 秀明
,
鈴木 智人
,
高木 理彰
1山形大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
胸椎
,
骨移植
,
骨ねじ
,
MRI
,
脊髄造影
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
腰椎
,
集学的治療
,
椎弓形成術
,
脊髄円錐症候群
,
椎弓根スクリュー
Keyword:
Bone Screws
,
Combined Modality Therapy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Laminectomy
,
Myelography
,
Radiography
,
Spinal Fusion
,
Spinal Cord Compression
,
Thoracic Vertebrae
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Bone Transplantation
,
Laminoplasty
,
Pedicle Screws
pp.1043-1047
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015018765
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70歳女。両下肢のしびれ・筋力低下、歩行困難を主訴とした。下肢全体から肛門周囲にいたるしびれと触覚・痛覚の低下を認め、深部腱反射ではアキレス腱反射が消失していた。徒手筋力テストでは腸腰筋以下で2~3程度の筋力低下を認めた。MRIのT2強調矢状断像ではTh10~Th12高位で脊髄の蛇行、Th10-Th11高位での髄内T2強調画像で高信号領域を認め、脊髄造影像ではTh11-Th12高位で脊柱管の狭窄を認め、不完全ブロック像を呈していた。造影CTでは、Th11-Th12胸椎高位で椎間関節部の関節症性変化に伴う変形と骨棘による脊柱管狭窄の所見を認めた。胸腰椎移行部での脊髄圧迫による円錐上部症候群の診断で、Th10~Th12までの椎弓根スクリューを併用した胸椎後方除圧固定術と局所骨移植術を施行した。術後13日で杖歩行を開始し、43日で自宅退院した。術後6ヵ月でしびれは右足趾のみに軽減し膀胱直腸障害も消失し、杖歩行が可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014