臨床室
大腿骨外彎変形に伴う短期間ビスホスホネート製剤内服中に生じた非定型大腿骨骨折の1例
荻野 英紀
1
,
柴代 紗衣
,
島 陽一郎
,
高田 寿
,
徳重 潤一
,
三浦 信明
1練馬光が丘病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
胸椎
,
骨疾患
,
髄内固定法
,
脊椎骨折
,
大腿骨
,
大腿骨骨折
,
経口投与
,
Alendronate
,
骨折-圧迫
Keyword:
Administration, Oral
,
Bone Diseases
,
Femoral Fractures
,
Femur
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Radiography
,
Thoracic Vertebrae
,
Spinal Fractures
,
Alendronate
,
Fractures, Compression
pp.243-246
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145989
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76歳女。左大腿部痛を主訴とした。ビスホスホネート(BP)製剤とビタミンD製剤の内服開始から約3ヵ月後に誘因なく左大腿部前面痛を自覚し、初診時には左大腿部前面から外側部痛、圧痛、腫脹を認めた。骨密度は%若年成人平均値(YAM)で腰椎64%、大腿骨65%であり、単純X線像で左大腿骨骨幹部中央の外側骨皮質肥厚を伴う不全骨折と健側右大腿骨の外灣変形を認めた。酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ-5bの最小有意変化が15.8%であったことからBP製剤内服による非定型骨折と診断し、髄内釘による内固定を行うとともにBP製剤とビタミンD製剤を中止してテリパラチドを開始した。非定型大腿骨骨折には大腿骨の彎曲変形が深く関わることが推測され、BP製剤を投与する際には大腿骨外灣変形を確認し、自覚症状や単純X線像、骨代謝マーカーを定期的に観察する必要があると考えられた。
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