臨床室
野球部捕手に発生した両側大腿骨滑車部離断性骨軟骨炎の1例
福田 亜紀
1
,
西村 明展
,
中空 繁登
,
加藤 公
1鈴鹿回生総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節鏡法
,
骨移植
,
骨軟骨炎-離断性
,
再手術
,
MRI
,
スポーツ障害
,
大腿骨
,
野球
,
関節軟骨修復術
Keyword:
Baseball
,
Arthroscopy
,
Athletic Injuries
,
Femur
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteochondritis Dissecans
,
Radiography
,
Reoperation
,
Bone Transplantation
,
Arthroplasty, Subchondral
pp.237-241
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145988
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13歳男。野球部の捕手で左膝関節痛を主訴とした。左大腿骨滑車部の膝関節離断性骨軟骨炎(OCD)分離後期の診断で手術を行ったが、術後8ヵ月に右膝関節痛が出現し、右大腿骨滑車のOCD(遊離期)と診断した。画像所見では左外反膝、両側の大腿骨滑車形成不全と骨軟骨片分離像(Nelson分類左grade III、右grade IV)、膝蓋骨形態異常(Wiber分類左type III、右type II)を認めた。骨端線閉鎖前であり、手術所見より病型はInternational Cartilage Research Society OCD分類左stage III、右stage IVと診断し、不安定型の骨軟骨病変であった左側には骨釘を用いた骨軟骨片固定術を、遊離期の右側はmicrofracture法を行った。本例では捕手としての膝蓋大腿関節への過大な反復負担が病変の進行に関与していると推察された。
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