発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013081454
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症例1(85歳女性)。胸腰椎部圧迫骨折に対するTh12-L1経皮的椎体形成術の施行後、アレンドロネート(35mg/週)の投与が開始されたが、他医でリセドロネート(2.5mg/日)+アルファカルシドール(0.5μg/日)に変更された。だが、7ヵ月経過で左大腿痛を主訴に著者らの施設へ受診、圧迫骨折による神経根症と診断されたが、更に5ヵ月後、左下肢を捻った直後に激痛が生じ歩行不能となった。所見にて転位のない非定型的大腿骨骨折と診断され、Ender釘固定を行なった結果、術後2ヵ月での腰椎骨密度はYAM59%であった。症例2(74歳女性)。転倒による右橈骨末端骨折に対し掌側プレート固定が行われ、5ヵ月後、ミノドロン酸水和物(1mg/日)の投与を開始した。だが、その6.5ヵ月後に自宅でマットにつまずき右非定型的大腿骨骨折を生じ、入院となった。所見では骨型アルカリホスファターゼおよび尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチドはともに低値であり、治療としては髄内釘固定が行われた。以上、両症例とも軽微な受傷機転で生じたX線像上大腿骨骨幹部横骨折で、粉砕骨折はなく外側骨皮質の肥厚というShaneらの非定型的大腿骨骨折基準を全て満たしていた。
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