発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012220017
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症例は80歳女性で、アレンドロネートを5年間服用していた。歩行中に木の根に引っかかって前のめりに転倒し、右大腿骨骨幹部単純横骨折を受傷して内側骨皮質にスパイクを認め、髄内釘による骨接合術を行った。血液検査で異常所見はなく、橈骨二重エネルギーX線吸収法による骨密度測定では0.377g/cm2、若年成人平均値58%であった。初回受傷1年4ヵ月後、畑を歩行中に転倒して尻もちをつき、右大腿骨顆上部斜骨折が認められた。前回髄内釘を抜去して逆行性髄内釘による骨接合術を行った。更に術後入院中に車椅子から立ち上がろうとして左足が前方に滑り、前方の壁にぶつかって左大腿骨骨幹部単純横骨折を受傷し、内側骨皮質にスパイクが認められた。髄内釘による骨接合術を行ったが、1回目の右側骨折時に撮影していた左大腿骨骨幹部のX線像をみると、骨幹部外側に骨皮質の肥厚があり、拡大像で既に微小骨折が存在していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012