経験と考察
大腿骨近位部骨折両側例(二次骨折例)に新たに生じた骨折例の検討
寺元 秀文
1
,
内田 圭治
,
越宗 幸一郎
,
岡田 芳樹
,
村上 恒二
,
伊勢 真人
1呉共済病院 整形外科
キーワード:
股関節部骨折
,
骨粗鬆症
,
上腕骨骨折
,
脊椎骨折
,
大腿骨頸部骨折
,
大腿骨骨折
,
橈骨骨折
,
歩行
,
骨折-圧迫
,
生活空間
Keyword:
Femoral Fractures
,
Femoral Neck Fractures
,
Gait
,
Humeral Fractures
,
Hip Fractures
,
Osteoporosis
,
Radius Fractures
,
Spinal Fractures
,
Fractures, Compression
pp.1059-1061
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017399264
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当院で治療を行った65歳以上の脆弱性大腿骨近位部骨折両側例のうち、新たに骨折を生じた15例(男性2例、女性13例)について検討した。初回骨折、対側骨折、三次骨折のそれぞれの受傷時平均年齢は84.3歳、86.7歳、88.1歳であった。三次骨折の部位は骨盤骨折が40%、大腿骨骨折が26.7%、脊椎圧迫骨折が13.3%、橈骨遠位端骨折が13.3%、上腕骨近位部骨折が6.7%であった。対側骨折から三次骨折までの期間は2年以内が93.4%を占めた。森本らの分類による歩行能力では、三次骨折受傷前はgrade Iが26.6%、grade IIが6.7%、grade IIIが13.4%、grade IVが53.3%であったが、三次骨折後はgrade Iが20.0%、grade IVが66.6%となった。生活場所は三次骨折前が自宅46.6%、施設33.4%、病院13.3%であり、三次骨折後は自宅40.0%、施設33.4%、病院13.3%、死亡退院13.3%であった。三次骨折前の骨粗鬆症治療率は40.0%であった。
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