経験と考察
上腕骨内側上顆骨折に対する腹臥位手術
佐藤 光太朗
1
,
村上 賢也
,
三又 義訓
,
菊池 祐樹
,
及川 龍之介
,
及川 伸也
1岩手医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
上腕骨骨折
,
治療成績
,
腹臥位
,
手術時体位
,
関節角度測定
Keyword:
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
Prone Position
,
Arthrometry, Articular
pp.210-213
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145982
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小児上腕骨内側上顆骨折(MHEF)に対して手術を行った12例13肘(男7肘、女6肘、平均年齢11.7歳)を対象として、腹臥位手術の治療成績と利点について報告した。手術体位は仰臥位5肘、腹臥位8肘であり、スクリュー固定を行った1肘(仰臥位群)を除く全例で引き寄せ鋼線締結法を行い、術直後X線像での2mm以上のギャップの有無、骨癒合の有無、合併症の有無を評価した。その結果、両群とも尺骨神経障害は認めず、仰臥位群の3肘に2mm以上のギャップがみられたものの、全例、経過中にKirschner鋼線のバックアウトを認めることなく骨癒合が得られた。また、Flynnの機能評価において、仰臥位群はexcellent 4肘、fair 1肘、腹臥位群はexcellent 7肘、poor 1肘であった。MHEFに対する腹臥位手術は整復操作が容易で安全に施行可能であった。
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