経験と考察
骨脆弱性大腿骨近位部両側骨折例の発生傾向 より適したターゲットは
今井 教雄
1
,
堂前 洋一郎
,
遠藤 直人
1新潟大学 大学院地域医療長寿学講座
キーワード:
股関節部骨折
,
大腿骨頸部骨折
,
後向き研究
,
年齢因子
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Age Factors
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Retrospective Studies
,
Osteoporotic Fractures
pp.214-217
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145983
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5年間に受診した骨脆弱性大腿骨近位部骨折917例のうち、両側骨折例64例(男8例、女56例、初回平均年齢80.1±9.3歳、2回目平均年齢84.5±7.9歳)を対象として、その発生傾向と対処法を検討した。両側骨折発生率は7.3%で、初回骨折~反対側骨折発生までの期間は1年以内31.3%、3年以内54.8%、5年以内65.7%と初回骨折後比較的早期に反対側骨折を生じる傾向にあり、骨折型は65.6%が初回と同型骨折であった。また、二次骨折予防としての骨粗鬆症治療率は6.25%で、初回骨折時年齢が高い症例ほど反対側骨折までの期間が短い傾向にあった。本研究より初回骨折後、反対側骨折が生じるまで1年以上かかる症例が増える85歳以下の症例が、二次骨折予防を行うよいターゲットであると考えられた。
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