経験と考察
小児上腕骨顆上骨折に対する牽引台を用いた非観血的整復・経皮鋼線固定術の治療成績
友利 裕二
1
,
澤泉 卓哉
,
南野 光彦
,
高井 信朗
1日本医科大学 大学院整形外科
キーワード:
X線診断
,
牽引(整形外科)
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
上腕骨骨折
,
肘関節
,
治療成績
,
整形外科的マニピュレーション
,
内反肘
Keyword:
Bone Wires
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Manipulation, Orthopedic
,
Radiography
,
Traction
,
Treatment Outcome
pp.411-415
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014255381
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横江式牽引台を用いて非観血的整復・経皮鋼線固定術を施行した小児の上腕骨顆上骨折21例について治療成績を調査した。初診時年齢は平均5(1~13)歳で、骨折型は屈曲型4例、伸展型17例(Holmberg分類II型4例・III型4例・IV型9例)であった。術後経過観察期間は平均8(3~27)ヵ月であった。手術は全身麻酔下に術中透視を使用し、腹臥位または側臥位で横江式牽引台を用いて徒手整復した後、経皮鋼線固定術を行った。術後合併症は1例に内反肘を認め、最終観察時の治療成績はFlynnの評価でexcellent:12例、good:8例、poor:1例であった。概ね良好な治療成績が得られたが、7例で健側より肘外反角が6°以上減少し、うち5例はHolmberg分類IV型で整復阻害因子の存在が疑われた。以上、内反肘を完全に予防するためには、Holmberg分類IV型骨折に対しては観血的に整復阻害因子を除去し、解剖学的整復後に経皮鋼線固定を行う必要があると考えられた。
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