経験と考察
第4腰椎/第5腰椎(L4/L5)脊柱管狭窄症と第5腰椎/第1仙椎(L5/S1)椎間孔狭窄の鑑別診断-L4/L5脊柱管狭窄症術後にL5/S1椎間孔狭窄の診断にいたった症例をもとに
中島 大輔
1
,
篠崎 義雄
,
小川 潤
,
古宮 智貴
,
磯貝 宜広
1静岡赤十字病院 脊椎センター
キーワード:
鑑別診断
,
脊柱管狭窄
,
脊椎固定術
,
仙椎
,
椎間板ヘルニア
,
腰椎
,
予後
,
外科的減圧
,
椎間孔
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Lumbar Vertebrae
,
Prognosis
,
Spinal Fusion
,
Sacrum
,
Spinal Stenosis
,
Decompression, Surgical
pp.1031-1036
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403077
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
第4腰椎/第5腰椎(L4/L5)脊柱管狭窄症の診断でL4/L5脊柱管を含む除圧または固定術を施行したが、術後に症状が不変または早期に再発し、第5腰椎/第1仙椎(L5/S1)椎間孔狭窄と改めて診断して追加手術を行い、最終観察時にJOAスコアの改善率が20%以上になった7例を対象に、臨床および画像所見を検討した。その結果、初診時の臨床所見は、全例でL5神経支配領域に疼痛を認め、動作開始時痛を5例、歩行障害を全例(間欠跛行3例、有痛性跛行4例)に認めた。Kempテストは3例が陽性であった。術前のMRI、脊髄造影像で、全例にL4/L5脊柱管狭窄症を認めた。L5/S1脊柱管に狭窄は認めなかった。腰椎再構築CT矢状断像で前後距離6mm以下の狭窄を3例に認めた。椎弓根間距離が6mm以下の症例はなかった。L5/S1椎間高位の骨棘を6例に認め、いずれも椎弓根間距離6mm以下の狭窄を認めた。つまり病態は、前後狭窄1例、頭尾狭窄4例、前後・頭尾狭窄合併2例に分類できた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016