臨床室
左傍脊柱筋内から発生した顆粒細胞腫の1例
飯田 健
1
,
星 学
,
大戎 直人
,
家口 尚
,
鈴木 亨暢
,
中村 博亮
1大阪市立大学 整形外科
キーワード:
顆粒細胞腫
,
MRI
,
X線CT
,
筋肉腫瘍
,
神経根切断術
,
コンピュータ支援手術
,
傍脊柱筋
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Granular Cell Tumor
,
Rhizotomy
,
Muscle Neoplasms
,
Surgery, Computer-Assisted
,
Paraspinal Muscles
pp.959-961
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016356168
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症例は70歳男性で、69歳時に背部痛、背部腫瘤出現で前医のMRI・CTにて左背部に軟部腫瘍を指摘され紹介受診した。左背部に6×7cmの弾性硬で可動性不良の腫瘤を触知し、MRI T1強調で筋肉と等信号、T2強調で中心部が低信号、辺縁が高信号、T1ガドリニウム造影で不均一に造影される腫瘤を左傍脊柱筋内に認めた。造影CTでは同部位に境界やや不明瞭な多房性腫瘤を認めた。切開生検で好酸性顆粒状の胞体を有する腫瘍細胞が胞巣状に増殖し、膠原線維の腫瘍細胞間への浸潤を認め、顆粒細胞腫と診断した。患者・家族との相談で経過観察としたが、半年後に腫瘍の増大と疼痛の増悪を認め、CTナビゲーション併用で腫瘍広範囲切除術を行った。術中に腫瘍は左L2神経根の枝から発生していたため、同神経根を合併切除した。術後の病理学的検索で断端陰性と判断された。
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