発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006210166
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16歳女.学校検診の胸部X線で異常陰影を指摘された.CTで右上・中縦隔に4.0×2.5×5.5cm,内部均一で軽度造影される腫瘤陰影を認め,MRIのT1強調像では等信号,T2強調像で高信号,やや不均一,辺縁整,境界明瞭であった.気管支原性嚢胞あるいは神経原性腫瘍を疑い開胸術を施行し,腫瘍は右上・中縦隔に存在し,奇静脈,上大静脈,右腕頭静脈,気管と癒着していた.右迷走神経を巻き込んでいたため,反回神経分岐後より右迷走神経を切除し腫瘍を摘出した.病理組織所見で腫瘍は類円形または多角形の大細胞の充実性増殖より成り,豊富な細胞質内に好酸性の微細な顆粒を認めた.核は小さく,中心性または偏在性に認めた.細胞質内の顆粒はdiastase-resistant PAS染色陽性であった.免疫組織学的にNSE,S-100蛋白陽性であり,顆粒細胞腫と診断した.核分裂像はみられず,MIB-1陽性率は1%未満であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006