臨床室
病的骨折を伴った大腿骨遠位軟骨肉腫に対し膝関節包外切除を施行した1例
二川 隼人
1
,
鈴木 賀代
,
安田 剛敏
,
渡邉 健太
,
金森 昌彦
,
木村 友厚
1富山労災病院 整形外科
キーワード:
骨切り術
,
骨折-自然
,
膝関節
,
人工膝関節
,
大腿骨骨折
,
大腿骨腫瘍
,
軟骨肉腫
,
関節包
,
膝関節置換術
Keyword:
Chondrosarcoma
,
Femoral Fractures
,
Fractures, Spontaneous
,
Femoral Neoplasms
,
Knee Joint
,
Knee Prosthesis
,
Osteotomy
,
Joint Capsule
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
pp.955-958
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016356167
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症例は7I歳女性で、転倒後の右膝関節痛と腫脹で、近医にて右大腿骨外側顆部骨腫瘍による病的骨折を指摘され紹介受診した。X線で右大腿骨外側顆に骨透亮像と骨硬化像が混在する骨腫瘍を認め、病的骨折を伴っており、膝関節前方関節包内で点状に石灰化していた。CTで大腿骨外側顆に皮質骨の菲薄化と膨隆を伴う内部に斑状石灰化のある骨腫瘍を認め、後顆から関節面に至る病的骨折を認めた。MRIで大腿骨外顆にT1強調で低信号、T2強調で低~高信号が不均一に混在する腫瘍を認め、大腿骨前面の膝関節内にも腫瘍を認めた。膝関節外側からの生検では、紡錘形腫瘍が軟骨基質を伴い分葉状に増殖しており、軟骨肉腫と診断し膝関節包外広範切除術を行い、グローバルモジュラー人工関節システムを用いて再建した。術後3週より膝関節硬性装具装着で部分荷重とし、4週から全荷重で歩行訓練を行った。術後2年6ヵ月経過で再発や転移はなく、Enneking患肢機能評価は92%であった。
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