臨床室
後方不安定性を呈した歯突起骨の1例
田内 亮吏
1
,
小原 徹哉
,
辻 太一
,
川上 紀明
1名城病院 整形外科・脊椎脊髄センター
キーワード:
X線診断
,
偽関節
,
骨移植
,
骨ねじ
,
骨板
,
再手術
,
MRI
,
術後合併症
,
脊椎固定術
,
腸骨
,
椎弓切除術
,
歯突起骨
,
脊椎不安定症
,
椎弓根スクリュー
Keyword:
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Ilium
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Postoperative Complications
,
Spinal Fusion
,
Reoperation
,
Bone Transplantation
,
Pedicle Screws
pp.1259-1262
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016083037
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14歳女児。脳性麻痺と左上下肢不全麻痺の既往がある。今回、両手のしびれ、歩行障害を主訴に当科紹介となった。初診時所見、単純X線・MRI所見より、後方不安定性を生じた歯突起骨と診断し、環椎後弓切除後、プレートおよびスクリューシステムを用いて後頭骨から軸椎までの後方固定術を行った。後頭骨には2本の後頭骨スクリューに加え、超高分子量ポリエチレンテープを併用し、軸椎は椎弓根スクリューを使用した。しかし、術後1年で後頭骨スクリューの弛みを認め、移植骨頭側端での偽関節を生じたため、再手術を計画した。再手術は初回手術とは異なる後頭骨プレートを使用し、後頭骨には8本のスクリューを挿入した。後頭骨とプレートの固定には超高分子量ポリエチレンテープを併用し、骨移植には自家骨移植を行った。再手術後2年で骨癒合と神経症状の改善を認め、両手のしびれは軽減し、独歩可能となった。さらに頸椎sigmoid curveの軽減が得られた。
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