経験と考察
大腿骨頚部骨折術後静脈血栓塞栓症予防に対する抗凝固薬の使用経験 エドキサバントシル酸塩水和物とエノキサパリンナトリウムの比較
早坂 豪
1
,
玄 奉学
,
佐久間 吉雄
,
河野 裕
,
小鹿 寧之
,
宮川 慶
1千葉中央メディカルセンター 整形外科
キーワード:
Creatinine
,
術後合併症
,
皮下出血
,
大腿骨頸部骨折
,
皮下注射
,
経口投与
,
発生率
,
Enoxaparin
,
治療成績
,
肝機能障害
,
静脈血栓塞栓症
,
Edoxaban
,
Creatinine Clearance
,
Fibrin Fragment D
Keyword:
Administration, Oral
,
Creatinine
,
Femoral Neck Fractures
,
Ecchymosis
,
Injections, Subcutaneous
,
Postoperative Complications
,
Incidence
,
Treatment Outcome
,
Enoxaparin
,
Hepatic Insufficiency
,
Venous Thromboembolism
,
Fibrin Fragment D
,
Edoxaban
pp.321-324
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015218961
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当科で大腿骨頸部骨折に対し人工骨頭置換術を施行した64例を対象に、術後静脈血栓塞栓症(VTE)予防としてエノキサパリンナトリウムを投与した29例(eno群)とエドキサバントシル酸塩水和物を投与した35例(edo群)に分け、比較検討した。その結果、年齢、術前待機期間、BMI、Ccr値、手術時間、出血量は両群間で有意差を認めなかった。Dダイマー値は、術後3日および7日においてedo群で有意に低かった。DVT発生頻度はedo群8.6%、eno群20.7%で、両群間に有意差はなかった。また、全例遠位型DVTで、肺血栓塞栓症を発症した症例もなかった。以上の結果から、エドキサバントシル酸塩水和物はエノキサパリンナトリウムと同等のDVT予防効果および安全性を有することが確認された。
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