臨床室
示指遠位指節間関節破壊を生じた高尿酸血症の1例
後藤 剛
1
,
小熊 雄二郎
,
傳田 博司
,
田西 信睦
,
岡部 聡
1新潟労災病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節固定術
,
骨移植
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
手指関節
,
治療的洗浄
,
掻爬術
,
X線CT
,
腸骨
,
体内埋込み具の除去
,
高尿酸血症
,
術後感染症
,
痛風結節
Keyword:
Arthrodesis
,
Bone Wires
,
Curettage
,
Finger Joint
,
Ilium
,
Therapeutic Irrigation
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Bone Transplantation
,
Device Removal
,
Hyperuricemia
pp.965-967
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339900
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69歳女。右示指遠位指節間(DIP)関節周囲の腫脹・疼痛を主訴とした。単純X線では示指中節骨骨幹部から遠位にかけての骨透亮像およびDIP関節内の骨折線を認め、CTでは中節骨に骨皮質の欠損や皮質骨の菲薄化を認めた。皮膚外観上から白色物質が透見でき、穿刺にてチョーク状物質が吸引された。関節炎検査で尿酸Na結晶を確認した。血液検査では血清尿酸値が高値を示した。初診から5日目に皮膚が自壊寸前となり、緊急的に病巣清掃術を施行した。初回手術後、示指DIP関節は完全に破壊され、中節骨の骨欠損が著明であった。しかし、患者が実用的な示指の温存を希望したため、初回手術から3週後、血清尿酸値が低下し感染徴候がないことを確認した上で、DIP関節固定術を行った。骨欠損部に腸骨移植後Kirschner鋼線と軟鋼線で固定した。術後1年で骨癒合を認め、ワイヤーをすべて除去した。術後1年3ヵ月経過して、箸の使用が可能であり、疼痛の訴えもない。
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