発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016279869
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2008年7月~2010年7月の間に大腿骨近位部骨折の診断で手術が施行された154症例(男性18例、女性136例、平均年齢83.0±8.1歳)を対象に、併存疾患や術後合併症などを含む退院時歩行障害因子について検討した。方法は退院時歩行能力を受傷前と比較するため、対象を以下の、歩行能力が向上・維持した症例(歩行能力維持群:99例、男性11例、女性88例、平均年齢81.0±8.3歳)と、歩行能力が低下した症例(歩行能力低下群:55例、男性7例、女性48例、87.0±6.4歳)の2群に分け調べた。その結果、1)両群間で有意差のあった項目は年齢、身長、受傷前生活状態、受傷後ADLほか、受傷前認知症程度、骨折型、受傷場所、荷重許可の日数、更に心疾患併存の有無、術後合併症によるリハビリテーション(リハ)遅延の有無、膝伸展の可否、SLRの可否、リハへの取り組み、退院時歩行形態、退院先、入院期間であった。2)歩行障害因子において2群間で有意差があった16因子中、治療・リハの結果として得られる因子の退院時歩行形態、退院先、入院期間を除いた13因子を独立因子とした多変量解析では年齢、術後合併症によるリハ遅延の有無、SLRの可否が有意な因子として抽出された。
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