経験と考察
80歳以上の大腿骨近位部骨折患者における入院時肺炎の合併率
三好 英昭
1
,
三宅 亮次
,
林 二三男
1高松市民病院 整形外科
キーワード:
家族特性
,
胸部X線診断
,
股関節部骨折
,
死亡
,
大腿骨頸部骨折
,
肺炎
,
治療成績
,
80歳以上高齢者
,
治療までの期間
,
胸部CT
,
秋季
,
冬季
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Death
,
Family Characteristics
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Pneumonia
,
Radiography, Thoracic
,
Treatment Outcome
,
Time-to-Treatment
pp.951-954
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339897
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2013年1月~2014年12月に入院加療を行った80歳以上の大腿骨近位部骨折患者82例(男18例、女64例、平均年齢87.7歳)を対象として、入院時胸部CTから肺炎合併率を調査し、肺炎合併例の特徴を検討した。肺炎合併(肺炎あり群)は10例(12.2%)に認め、このうち初診時胸部単純X線像において肺野浸潤影を認めたのは5例であった。受傷後24時間以降に受診した例の占める割合でみると、肺炎なし群72例においては20%であったのに対し、肺炎あり群では50%とやや受診が遅れる傾向であった。肺炎あり群では、受傷時季は秋・冬季が80%を占め、受傷時の生活形態は家人と同居していた例は認めなかった。肺炎あり群の治療は、肺炎の治療を優先して行った。7例は状態が安定後に骨折手術を行い、3例は保存的治療を選択した。そのうち、手術例1例と保存的治療1例は、入院中に肺炎が悪化し死亡した。
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