経験と考察
高齢者に発生した大腿骨近位部骨折に対する静脈血栓塞栓症の予防
増井 文昭
1
,
伊藤 吉賢
,
齊藤 雅人
,
佐藤 健二
,
白旗 敏克
,
阿部 哲士
1千葉西総合病院 整形外科・関節外科センター
キーワード:
Aspirin
,
Warfarin
,
Hemoglobins
,
血栓塞栓症
,
股関節部骨折
,
内固定法
,
死亡
,
術後合併症
,
超音波診断
,
大腿骨頸部骨折
,
肺塞栓症
,
発生率
,
治療成績
,
臨床プロトコール
,
静脈血栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
Fibrin Fragment D
Keyword:
Aspirin
,
Death
,
Clinical Protocols
,
Femoral Neck Fractures
,
Fracture Fixation, Internal
,
Hemoglobins
,
Hip Fractures
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Embolism
,
Thromboembolism
,
Ultrasonography
,
Warfarin
,
Incidence
,
Treatment Outcome
,
Venous Thrombosis
,
Venous Thromboembolism
,
Fibrin Fragment D
pp.955-959
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339898
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2012年9月~2014年6月に大腿骨近位部骨折手術を行った124例を対象に、静脈血栓塞栓症(VTE)予防プロトコルを行い、治療成績を報告した。受傷前から抗血小板薬を服用中の40例(男7例、女33例、平均年齢82.3歳)は休薬せずに継続し(抗血小板薬群)、抗血小板薬を内服していない84例(男20例、女64例、平均年齢81.4歳)は術翌日よりワルファリンカリウムを内服した(ワルファリン群)。深部静脈血栓症(DVT)発生は、抗血小板薬群4例(10%)、ワルファリン群11例(13.1%)に認め、発生率に両群間で有意差を認めなかった。両群ともDVTは定期的な下肢超音波検査で発見され、術後3日10例(66.7%)、術後5日1例(6.7%)、術後7日2例(13.3%)、術後21日1例(6.7%)であった。死亡退院は5例であったが、致死性肺血栓塞栓症(PTE)は認めなかった。VTE予防プロトコルはVTE・致死性PTE予防に有用であると考えられた。
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