臨床室
腰部脊柱管狭窄症に合併した硬膜外脂肪腫の1例
東村 隆
1
,
野原 裕
,
本田 俊夫
,
大関 覚
1獨協医科大学 整形外科
キーワード:
硬膜外腫瘍
,
MRI
,
脂肪腫
,
脊柱管狭窄
,
免疫組織化学
,
腰仙部
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lipoma
,
Lumbosacral Region
,
Spinal Stenosis
,
Epidural Neoplasms
pp.328-331
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014223453
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74歳男。高度腰痛・下肢痛・下肢麻痺を主訴とした。症状は以前より認めたが、2日前のゴルフ練習後に増悪し歩行不能となった。左右のL4レベルの知覚鈍麻を認め、日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準(JOAスコア)は29点満点中4点であった。MRIではT1・T2強調像ともにL3/L4レベルで高輝度の脂肪組織による後方からの神経組織の高度な圧迫を確認し、CTでは椎間関節変性による脊柱管狭窄を認めた。L3/L4椎間関節ブロックにて一時的に腰痛は消失し、椎間関節変性による脊柱管狭窄を合併した硬膜外脂肪腫を疑い、L3/L4の椎間関節包を温存した椎間関節内側切除術を行った。腫瘍は被膜に囲まれ一塊に摘出可能であり病理組織学的に脂肪腫と診断された。術翌日より症状は著明に改善し、3週後に独歩退院し、8ヵ月経過現在JOAスコアは27点とほぼ改善している。
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