発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055704
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著者らが考案した腰部脊柱管狭窄症の新分類法を紹介した。新分類は主として立位単純X線像を用いて、腰椎にすべり、側彎など脊柱変形や配列異常のないものをタイプ1、明らかな脊柱変形や配列異常がみられるものをタイプ2、その他をタイプ3に分けた。今回、新分類法を用いて腰部脊柱管狭窄症患者を分析したところ、外来患者86例ではタイプ1:34例(39.5%)、タイプ2:51例(59.3%)、タイプ3:1例(1.2%)であり、タイプ2が多かった。手術を行った34例ではタイプ1:12例、タイプ2:19例、タイプ3:3例であった。手術法についてはタイプ1の9例が椎弓切除、脊柱管拡大術などの除圧手術、3例が経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)が行われており、タイプ2の症例は後方経路腰椎椎体間固定術などの固定術か、一部の症例でGraftによる制動術を行っていた。更にタイプ3の症例はすべてTLIFを行っていた。以上より、本分類は脊柱管狭窄症の病態を記号で記載することで、画像を再確認しなくても簡便に病因を理解しやすくし、脊柱変形や脊椎配列異常と病態との関係を整理することで、手術方法決定のよりどころにもなりうると考えられた。
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