発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006128138
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49歳男.腰痛と両下肢痛を自覚したが放置していたところ軽減したが数ヵ月後に再び症状が出現し,腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けた.約1ヵ月の保存的治療により症状の改善が得られず紹介受診した.SLRテスト,大腿神経伸展テストは両側陰性であったが,後屈位で両下肢痛が誘発された.アキレス腱反射は両側で軽度低下していた.間欠跛行を認め,歩行時に両下肢の後面から外側にかけて強いしびれ,疼痛を認めた.膀胱直腸障害はなく,JOAスコアは29点中14点であった.単純X線正面像で疼痛性側彎を認め,側面像でL4/L5,L5/S1椎間板腔の狭小化を認めた.MRIにてL4/L5,L5/S1椎間板ヘルニアを認め,L4/L5に脊柱管狭窄を認めた.腰椎椎間板ヘルニアを合併した腰部脊柱管狭窄症と診断し,保存的治療を行うも右長母指伸筋の筋力低下が進行したため手術を行った.手術所見にて硬膜管背側に脱出した腰椎椎間板ヘルニアの存在が明らかとなった.術後の経過は良好で,8ヵ月後のJOAスコアは25点となった
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