発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012350836
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
MRI所見の乏しい腰部脊柱管狭窄症の代表例3例を提示し、その病態について検討した。3例は腰痛、両下肢痛・しびれ、間歇破行などの脊柱管狭窄症状を有するが、MRIにおける脊柱管狭窄所見は乏しかった。動的脊柱管狭窄の存在を念頭に置いてミエログラフィーを施行したところ、立位動態ですべりの増強、不安定性、椎間高の減少、側彎、明らかな脊柱管狭窄を認めた。いずれも動的脊柱管狭窄として後方経路腰椎椎体間固定術を行い、症状と歩行障害は改善した。動的脊柱管狭窄は腹臥位、立位など体位の変化の変化によって脊柱管狭窄所見が増強し、背臥位安静のMRIでは脊柱管狭窄所見が乏しくなるため、臨床症状が高度の場合には、単純X線像での不安定性の評価とミエログラフィーによる動的脊柱管狭窄の評価が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012