発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233804
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72歳男。左下肢痛を主訴とした。円背があり、脊椎の可動域は全方向に著明に制限されており、胸郭の運動制限も著明であった。下肢伸展挙上テストは左60°で陽性、Kemp徴候は陰性であった。単純X線では、L1-L4の椎体と椎間関節は骨性に癒合し、仙腸関節は強直していた。頸椎、胸椎共に竹様脊柱がみられ、胸椎は著明な後彎変形を呈していた。MRIではL4/L5レベルで脊柱管は後方から圧迫され狭窄しており、造影CTではL4/L5、L5/S1は椎体癒合を免れており、L4/L5レベルで造影剤が途絶していた。これら所見や血液検査所見を合わせ、NewYork診断基準を満たす強直性脊椎炎と、それに合併したL4/L5間での腰部脊柱管狭窄症と診断した。左L5神経根ブロックにて疼痛は改善したが、2日後に再び疼痛が増悪し、同部位の神経根症状と診断して、全身麻酔下にL4/L5片側進入両側除圧術を施行した。術直後より左下肢痛は軽快し、術後15ヵ月現在、経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008