発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013162433
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症例は41歳女性で、左殿部~下腿後面の疼痛、しびれを主訴に、近医にて左坐骨神経痛として保存的治療を受けるも改善せず、腰椎MRIにて腰仙椎脊柱管内の異常陰影を指摘され、当院紹介となった。既往歴として、約2年前に急性骨髄芽球性白血病の治療歴があり、以後、緩解状態にあった。血液検査では異常所見はなく、腰椎MRIでL5/S1椎間板高位~S2高位の脊柱管内にT1強調像にて等信号、T2強調像にて等~やや高信号、Gd造影にて均一に造影される硬膜外の占拠性病変が認められた。PET-CTでは同部位に高度の異常集積がみられた。内視鏡下に生検術を行い、病理組織学的に腰仙椎硬膜外顆粒球肉腫と診断した。左下肢痛は生検術後すみやかに軽快したが、追加検査で急性骨髄性白血病の髄外再発が明らかとなった。髄膜浸潤に対しシタラビン、メトトレキサートの髄膜内投与、腰仙椎病変に対し放射線療法、全身化学療法としてシタラビンの大量投与を開始した。治療開始後10ヵ月の現在、局所再発は認めず、骨髄検査では寛状態が維持され、今後、同種骨髄移植を予定している。
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