発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140436
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間歇跛行を伴う腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランディンE1(PGE1)製剤の有効性を検討した.外来における保存的治療抵抗性の患者63例(平均69.7歳)を対象にPGE1製剤の点滴静注と経口投与を行い,必要に応じて神経ブロックを施行した.PGE1製剤投与前後の日整会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア),跛行距離(歩数),脊柱管狭窄率を評価した結果,49例(77.8%)ではJOAスコアと跛行距離が有意に改善したが(保存群),PGE1を併用した保存的治療に抵抗した14例(22.2%)は手術的治療に切り替えた(手術群).画像上,手術群と保存群の脊柱管狭窄率に有意差はみられず,脊柱管狭窄率とJOAスコアの改善率との相関も認めなかったが,投与前の臨床症状(JOAスコア)が重症であるほどPGE1の治療効果が乏しい傾向を認めた.PGE1を併用した保存的治療の有用性は高く,比較的安全に施行できることから,今後薬物療法の一役を担うと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005