発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014007159
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38歳男。1年前より誘因なく左膝関節腫脹が持続した。MRIでは多量の関節液の貯留と、上嚢部を中心に皮下脂肪と同程度の信号を呈し脂肪抑制される乳頭状の腫瘤性病変を認め、一部は後十字靱帯後方の後方コンパートメントにも存在した。また、Ga造影像では、腫瘤の辺縁に造影効果を認めた。膝関節に発生した樹枝状脂肪腫の診断で鏡視下手術を施行した。病理組織所見では、滑膜組織の乳頭状増殖と成熟脂肪細胞の増生を認め、樹枝状脂肪腫と確定診断した。術後早期に自覚的および他覚的な膝関節腫脹は消失し、術後1年半の現在、自覚症状はなく、画像上軽度の水腫の残存を認めるが再発所見は認めていない。血清MMP-3は術後早期に低下した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013