発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014007160
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75歳女。車にひかれて受傷した。右下腿前面に10cmの開放創があり、伸筋支帯の露出ならびに骨片の突出を認めた。足背動脈の拍動は確認することができず、前足部ならびに足趾の冷感を認めた。単純X線像では、右縢骨遠位部および腓骨遠位部に粉砕骨折を認め内側へ転位していたが、足関節面に及ぶ骨折はなかった。また、転位のない踵骨骨折を合併した。受傷後4時間の時点でデブリドマンならびに創外固定術を行った。セファロスポリン系抗生物質の投与を開始し、開放創ならびに皮膚欠損部に対しては洗浄、トラフェルミン(スプレー)による処置を連日行った。受傷後3週の段階で、皮膚欠損部は完全には上皮化していなかったが、炎症反応が正常化したことより内固定術が可能と判断し、観血的に骨接合術を行った。術後8週から部分荷重、術後10週から全荷重を開始とした。術後3ヵ月目、T字杖歩行で自宅退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013