臨床室
膝関節に発生した樹枝状脂肪腫の2例
奥茂 敬恭
1
,
浅井 聡司
,
高木 博
,
神崎 浩二
1昭和大学藤が丘病院 整形外科
キーワード:
関節鏡法
,
MRI
,
膝関節
,
膝関節置換術
,
樹枝状脂肪腫
Keyword:
Arthroscopy
,
Knee Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
pp.1158-1160
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017028913
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症例1:83歳女。73歳時より右膝に著明な関節水腫を認め、近医で関節穿刺を受け経過観察中であったが、1年前より右膝痛が出現して徐々に増悪した。X線でK-L分類grade 3の内反型変形性関節症(OA)を、MRIで右膝関節内に腫瘤を認め、関節鏡視下に腫瘤の生検を行い、病理組織学的に樹枝状脂肪腫と診断した。生検後は鎮痛薬の内容を変更し、疼痛コントロール良好となり、現在、近医にて経過観察中である。症例2:60歳男。40歳時より右膝の関節水腫が出現し、関節穿刺を受けていた。50歳時より歩行時の右膝痛が出現し、右膝OAの診断で保存的治療を受けるも症状改善しなかった。単純X線でK-L分類grade 4の右膝OAを認め、右人工膝関節全置換術を行った。膝蓋上嚢に絨毛状に増殖した滑膜様組織を認めたため切除し、病理組織学的に樹枝状脂肪腫と診断した。術後3ヵ月の時点でROMは0~130°で、経過良好である。
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