発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014007158
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75歳女。1年前から両膝関節痛があり、7ヵ月前から関節注射を行ったが、疼痛が軽減しなかった。右人工膝関節全置換術(TKA)を施行した。その後、左膝関節痛が増強し、左TKA目的で受診した。術後4時間後に完全覚醒した。第1病日は朝食を半量摂取したが、朝食開始1時間後ころより呼吸状態が悪化し、意識レベル低下を呈した。術後18時間の胸部X線像では両側肺野全体に間質性肺水腫様陰影、いわゆる吹雪様陰影を認めた。造影CTでは左大腿静脈に深部静脈血栓症を認めたが、肺血栓塞栓症は認めなかった。脂肪塞栓症候群と診断した。ウリナスタチン、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムを投与した。肺血栓塞栓症予防のため、低分子ヘパリンを静脈内投与し、下大静脈フィルターを設置した。第3病日には呼吸状態と意識状態は回復し、術後第51病日で独歩退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013