発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014007153
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
15歳男。地面に尾骨部を強打して受傷した。尾骨部痛および排尿・排便困難で受診した。歩行は可能であったが、坐位は疼痛のため不可能で、排便はできず排尿も困難であった。尾骨部に圧痛および軽度腫脹を認めた。単純X線所見では、仙尾関節において、尾骨が腹側に完全に転位する前方脱臼を認めた。画像所見および局所症状より外傷性尾骨脱臼新鮮例と診断した。側臥位で経肛門的に用手的に脱臼整復を試みたが整復できず、無麻酔下での整復は困難と判断した。腰椎麻酔下に経肛門的に用手的に再度徒手整復を試みたが整復は困難で、用手的な整復は断念した。小切開で整復し、経皮的に鋼線固定術を施行した。術後後より立位・歩行を許可し、坐位は禁止した。術後4週間でKirschner鋼線を抜去し、円坐使用での坐位を許可した。術後1年を経過した現在、やや亜脱臼位ではあるものの安定しており、疼痛・腫脹もなく日常生活・学校生活を過ごしている。
©Nankodo Co., Ltd., 2013